人・モノ・カネという資源が限られる中、各分野で生産性向上が求められるようになりました。
経理部門も例外ではありません。
幸い、以前に比べノウハウやツールが充実し効率化はされやすくなってきました。
経理部門の効率化にはどういったメリットがあるのでしょうか。
第一に、効率化によってよりスピーディーに経営判断を下せるようになります。
正しい試算表が早くに手元にあれば、確度の高い経営判断をすることができます。
しかしながら、現状では、試算表があがってくるのに数ヶ月かかるという会社も珍しくありません。
メリットは他にもあります。
効率化により、結果的に属人的な業務フローを改善することができるのです。
中小企業では働いている担当者が一人もしくは少人数であり、どうしても業務が属人化してしまいます。
しかし、その場合、担当者が急に退職すると、業務が一時停止するなどの問題が生じます。
また、属人化していると、担当者しか分からないことだからチェックのしようがないということで、チェック機能が失われます。
そうすると、ミスを防止することができませんし、さらにいうと不正や隠蔽のリスクも高くなります。
経理部門の効率化には、業務の見える化とそれをもとにした業務フローの改善から取り組むのがおすすめです。
経理業務は、日々の仕訳、伝票の起票、帳簿の作成と多岐にわかれています。
一つずつピックアップして、業務フローを書きだします。
具体的に、システムなどのツール、担当者、処理件数、処理時間等も書き出します。
見える化から始めるのには理由があります。
経理業務が多岐にわたっているのも理由の一つですが、大きくは経理部門の特性によります。
経理部門は”正確性”が重要な部門です。
担当者は一円単位まで数字を合わせる必要があります。
だから、方法を変えるということについて、どうしても保守的になってしまいます。
例えば、業務を引き継いだ際、IT化がまったく進んでいないということに気づいたとしてもフローを変更してしまうと、思わぬところでミスが発生するリスクが想定されます。
結局、リスクを冒すより、現状のフローで行うという判断になります。
”見える化”することで、効率化に着手しやすくなり、また効率化による不具合も防げるというわけです。
その後は、発見に基づいて改善していくのみです。
小口現金の管理に意外に時間がとられているね…ではキャッシュレス化しようか。
営業の経費精算の書類のミス修正にすごくコストがかかっているね…
いいツールはないかな…というように。
A社はこの見える化からの業務改善に成功しました。
A社の場合、顧問税理士と一緒になって取り組みました。
まず経理担当が日々の業務を書き起こしていきました。
それをチェックした税理士が、新たな、そして無理のない業務フローの改善を提案しました。
経費精算はかくあるべし…これは思いこみだったんですねということが経理担当の感想です。
途中からは、はずみがついたように、経理担当の方ご自身が、PCをデュアルモニターにしようなどアイディアを出されるようになりました。
B社も成功しました。
この会社は、忙しすぎて、業務の見える化にもまったく時間がさけないという状況でした。
経理部門を一度アウトソーシングして、ブラックボックスを解体しました。
両社とも、経理部門の効率化のメリットを享受しています。
経理部門の業務効率化についてご紹介しました。
ブラックボックス化しやすいからこそ、見える化が必要なのですね。
しかし、業務効率化は想像以上に難しい課題なのではと筆者は考えています。
長年、会社の屋台骨を支えてきた経理担当のことを考えてみてください。
職人のような技術を持っています。
アンチョコを開示することも抵抗があるかもしれないし、さらにそれを変えるとなるとより抵抗があるのは想像に難くないでしょう。
業務効率化とは、仕事の価値観ややりがいに関係することなのです。
職人の持つ誇りとも関係するかもしれません。
業務を行うのはつまるところ”人”であるので”人”を大事にして取り組む必要があるのではないでしょうか。
経営者と経理担当(従業員)、新人、ベテラン、みな立場が異なるので心がけが大事です!
本コラムでお伝えしたように、
経理部門の業務効率化によって企業は多くのメリットを享受できるものの、簡単ではありません。
弊社は、「本業に専念したい経営者を支えたい…!」
という思いでサポートを行ってきた結果、多くのお客様より温かいお言葉を頂戴しております。
公認会計士・税理士がお客様の状況をしっかりお伺いし、
お客様に合ったサービスをご提案させていただきます。
無料相談を行っておりますので、経理業務でお悩みがございましたらまずはお気軽にご相談ください。
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今月の言葉
もしこの世の中に成功の秘訣があるとすれば、それは常に相手の立場に立って考えることの中にある
<ヘンリー・フォード>